甘い誘惑
甘ったるい香水の香りがまとわりつく
気がつけば髪を耳にかけたりかきあげたり
切ったばかりで落ち着かないのか触れる度に広がる甘い香りが恋しいのか。
香水をつけてる男はずるい。
私論。
一人ベッドに横になる。
無造作にタバコを口にくわえ片手で火をつける姿がなんだか様になっていた事をふと思い出した。
脱ぎ捨てたニットから
触れられた髪から
私の身体から
あの人の香りがする。
側にいない男をベッドで思い出すなんて
まるで恋をしているみたいだ。
うっかり好きになったらどうしてくれる。
香水をつけてる男はずるい。
もう少し浸っていたい誘惑を断ち切ってシャワーを浴びた。
やましい事なんてしていないのに
なんだか後ろめたいような気持ちになるのはなぜだろう。
いつもの香水をワンプッシュ多めにつけた。