ナプキンとクレンジングと私〜後半〜
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ナプキンとクレンジングと私〜前半〜
[元カノのナプキンとクレンジング]
突如墜落したド級の隕石。
一緒にして荒野と化したお花畑、身体中を駆け巡る警告音、叩き起こされた理性。
どうなるどうなる後半戦!?
長くなりますが最後までよろしくお付き合い下さい!スタートです!!
(•••え?ちょっと待って今なんて?)
(あれ?別れたの去年の中頃って聞いてたけどあれ勘違い?)
(何の為に片付けてたんだっけ?それ私に言う意味は?)
花畑など見る影もない地肌剥き出しの荒野に緊急招集された理性達が早々に脳内会議を始めるなか
私「いや真っ先に捨てる奴でしょそれwww」
電話口の私はヘラヘラしていた。
情報量が多すぎる、処理できない、追いつかない。
受け止めきれない現実を前にした時、人は現実を否定する。何かの冗談だと思いたかった。
が、
彼「え?なんで?」
こっちのセリフなんですけどー!!!!!!理由を聞きたい事がわんさかあるのはこっちの方なんですけどー!!!!!
絶たれる希望。
(え、やだやだ、こわい)
(なんでって何が?)
(逆に!なんで?捨てない!?)
まさかの返しにパニックに陥る脳内。
私「、、、え?◯◯君使うの?ナプキン?」
思わずこぼれる愚問。
彼「使わないでしょwwお家来た時つかうでしょ?メイクとか落とさない?」
でーすーよーね!!!!!!
使うって言われてもびっくりだけどねー!
でも使えって言われるのもびっくりだよー!!!
自分でも何を言ってるかよく分からない。泣きたい。
私「使わないよww」
彼「え?なんで?」
(だから何でって、、何?)
(ワザと?ワザとなの?)
(え?確か同じ歳だったよね?)
(バカなの?この人バカなの?)
聞けば聞くほど分からない。
今喋ってるのはお互い日本語ですよね??と確認したくなるレベルで分からない。
ざわつく理性、荒れる会議...
カオス。脳内も現実もカオス。
私「イヤイヤw無理だよw使えないでしょ!元カノのだよね?使えないし使いたくない!無理無理無理!!」
彼「???なんで?だって物に罪はないじゃん」
心底キョトン顔してる彼が目に浮かぶ。。。
(解散!!!!!)
理性が一斉に匙を投げる。
物には罪はない、から使える、丁度良く使う人がいる、から捨てない。
理屈は分かる。私だって元彼から貰ったアクセサリーを同じ理屈で使うタイプ、理屈は分かるが!そうじゃない。
そこから?そこからなの?
理解は深まるが溝も深まる。
私「そうだけど。。じゃあそれはもう捨てないなら他の女の人に使って貰えば?笑 私は使えないし私がお家来る時は隠してくれてればいいからw」
もはや投げやり、折れかかる心。
彼「他の女にってなにそれ?それじゃあ話違ってくるでしょ?」
。。。。。♡!?
不覚にもキュンとした心にビンタをかまし
匙を投げて放心していた理性が働き始める
(そこは!そこは分かるのか!!!)
(そこは分かるのに何故通じない?)
(原因は何だ!どこでズレている?)
私「じゃあ、例えばだよ?もし◯◯君が私の家に来て元カレのパジャマ出されたら着れる?」
出た!立場を入れ替えた例え話!こういうすれ違いの時の黄金パターン!伝家の宝刀!!!
ここへきてやっと本領発揮の理性。
彼「え?俺前に付き合ってた子の元カレのパンツ履いた事あるけど?」
私・彼「あははははははははwwww」
返す刀で1発K.O.!
からの本日2度目の解散!!!!
彼女の元彼のパンツ履ける男にこの感覚が通じるわけがない。すれ違いなんかじゃない、そもそも道が違うのだ。
私が彼の感覚を分からないの同様、彼もずっと私が何を言ってるのか分からなかったのだ。
そういう感覚の部分を理性でこねくりまわした理屈で分かって貰おうなんて到底無理な話だった。
すれ違いどころか道が違う
こういう時、早めに "合わない"と見切るのが賢い女なのだろうか。。。
しかし、何を隠そう私も以前別れる前に元彼と計画してた旅行を当時既に新しい彼がいたにも関わらず"飛行機の便もホテルも別だし顔合わせる事もないからいいじゃん!"といいう理由で決行し怒られ"え?だってチケット払い戻しきかないし勿体なくない?"と見事にキョトン顔を決め更に怒られた女である。
私も私で国道走ってるタイプではないのだ。
ひとまず私は目標を変えた。
私「わかったw言いたい事は本当にもうわかったwってゆーかやっとわかったwでも私も使えない、それは譲れない。だから"誰かにあげよう!!"そうすれば捨てずに済むし私はスッキリする。折衷案でいこう!!」
道が違うなら交差点を作ってしまえばいい。
(あげるってなんだ、もらう女いるのか)
(折衷って言ってるけど彼の意見は聞いてないからゴリ押し)
解散した理性が最もな野次を飛ばしていたが、私は腰が抜けるほどのバカであり交渉は時に勢いも大事なのである。とにかく私は彼の家から元カノのナプキンとクレンジングが消えてさえくれればそれでいいのである。
幸い(?)彼の務め先は女性トイレに生理用品備えていてもおかしくないような所だった為<備品にする>という事で双方合意し今回の元カノ置き土産騒動はnot国道系男女(なんだそれ)っぽい決着でひとまず幕を降ろした。
後日、この話を女友達に喋っていた私は
「ん、めっちゃびっくりしたけど、でもそれまでなんで連発だった彼が私が"私にも私の価値観はあるからそこはどうしても譲れない"って言ったら、そこからは落とし所探す方にすぐシフトチェンジしてくれたからなんか大丈夫だと思った。好感度上がった」
と締めくくり長年の友は無言のまま笑顔で頷いていた。